堕ちていく人生


今日は二度、涙する。

『リービングラスベガス』をDVDで、
嫌われ松子の一生』を劇場にて鑑賞。


人間の人生は滑稽だ。
別に生まれて来たくて生まれてきたわけではないのに、その社会の規範をインプリントされ、その社会への適応を強要される。僕らはただ、生まれてきた状況に翻弄されて生きていって、死を迎える。


「リービングラスベガス」はアル中のベン(ニコラス・ケイジ)が台無しになった人生に絶望し、酒を死ぬまで飲み続ける話だ。醜い中年の飲んだくれた姿とラスベガスの夜景、バックに流れる音楽の対比が美しく、美しければ美しいほど、悲しい。こんな美しい世界で、ひとり、人が飲んだくれて死んでいく。それを看取ったのはたったひとり。飲んで死ぬと決めて実行する。その様は、はっきりいって意味がない。病院にいってアル中を治して出直そう、という発想は彼には無く、だから滑稽で、悲しい。実話らしい。


嫌われ松子の一生』は絶賛公開中なので、多くを語れないけど、人は、自分の人生を自分では決められない。ということを教えてくれる。松子の人生に降りかかる全ての出来事は、結局他人に振り回されているだけだ。その瞬間、瞬間に確かに幸福な瞬間があるはずなのに、満たされない。満たされない人たちが、互いに足をひっぱりあう。花に溢れ、本当はこんなにも美しい世界が、満たされないという感情が人生を台無しにする。コミカルであればあるほど、悲しい。


絶対主観の自分の人生をどう満足させていくか。難しい。


弊社、新入社員の1年定着率が20%以下にあり、まさに人に翻弄されっぱなし。
彼らは彼らの論理であり、僕らもまた僕らの論理。
大半が脱落していく者なんだけど、
実は乗ってる船は泥船なのかも…という葛藤。


『今度こそ、人生は終わった。そう思いました。』


でも、まだまだなのかもしれません。


つづく。