愛しさと切なさと


もはや心強さはない。
こころ細さが際だつ。


何のことかというと仕事で愛用のMacのこと。


僕はDTPを生業にしている。
なので、使っているパソコンはMacintoshだ。Macの最初の出会いからもう12年が経ってしまった。

最初はPowerMac7500。素晴らしいパソコンだった。一番長く、そして無茶をしたMacだった。当時の僕が考えられる極限の改造をした。
使わない端子、スロットはほぼ無かった。6年位使った、こんなに長く使っていた、というのは僕にとっては驚きだ。
社会人になって、ほぼ、毎年1台以上のペースで買っている。んで、今6台のMacを所有。
会社に
PowerMacG41.25G
PowerMacG4 765
G4Cube 450
PowerBookG4 667
MacMini 1.5G(PowerPC
家に
PowerMacG5 1.6G

おかんに
ibook 300(タンジェリン)を買うよう勧めた

妹に
ibook 500(ホワイト)に転売した。

など、もう阿呆の所業だと思う。

総額は安めのベンツ程度になると思われ、今頃複利で回ってくれていたら…と思うと切ない。



そして今、Mac人生で最大の危機を迎えている。
PowerMacG4 765とG4Cube 450は会社に貸していて、社員がカチカチ使っている。
んで残り3台を自分で使っているんだけど、仕事のメインで使っているPowerMacG41.25Gが、今週の月曜(6月5日)、「おかしいな」と思ったのも束の間、雪崩のように起動しなくなる。動揺してシステムのインスコを敢行。しかし…。最低限のインスコのはずが、なぜか起動画面中にバスエラーの非情のダイアログ。火曜も、水曜も、木曜の今日も。繰り返されるインスコと再起動と、ぬか喜びと、失望を繰り返す。
当然、日常業務もある。こういう時のために影武者のごとくPowerBookG4 667を駆使して乗り切りつつ、繰り返すインスコ
これもダメ。アレもだめ。ハードディスクを足してダメ。メモリはがしてもダメ。
ソフトの入れ方に工夫してもダメ。
万策尽きてしまった。

色々、ほうぼう聞いて回ってしまい、ご迷惑おかけしました。感謝してます。すいません。


途方にくれて今、これを書いている。


Mac一台、使えなくなる状態に直面して、どんどんとMacたちが壊れていってしまう不安に駆られる。
このDTPの周辺にいる人々は非常にハード、ソフト面に保守的で、いまだ20世紀型のOSとアプリによって制作している。
今、僕らがつかっているMacOS9が動く新品のハードは売っていない。未だわずかながらあるハードを手に入れて、手入れして使用する。マウス、キーボードも使えるものが限られる。愛用のマイクロソフトの5ボタンインテリマウスは見かけなくなった。
新しいソフトももう出ない…。アプリメーカーのサポートページやダウンロードのサイトは奥へ奥へ追いやられ、OS9のブラウザではそのサイトのトップページは見れない。


こんな悲しいことがあるだろうか。


何よりも愛しいMacとMacOS9のこの有り様。
ほんと、切なく、心細い。



僕は、閉店セールが嫌いだ。
店がたち行かなくなり、閉店の為の在庫一掃セール。
平時、見向きもしなかった輩が、この時ばかりと大挙して大繁盛。
次々と商品は売れ、がらんとどんどん広くなる店舗。
滅ぶとしって、なお、笑顔で対応しなくてはならない店員。
そんな彼らのこれからの行く末。余計なお世話でしょうけど。
その光景がほんと寂寥感に満ちて、嫌。



そして今、その当事者とならん自分を想像し、ぞっとする。
僕はこのまま、あと何年、これを使うんだろう。


だれか、助けて…


つづく