さくらん

退職・転職・その他諸々の諸事情もありまして、久しくなにもない休日ってなかったんだけど、今日は久々になにもないオフ。
ひさしぶりだと、それはそれで休日になにをどうしたらいいのか分からなくなってしまうのが悲しい。

今日は投票を済ませ、映画でも見るかと、近所の映画館にでも行ってみる。僕が行くとき恐ろしいほど空いている。混んだ場所が好きじゃない僕には貴重な所だ。


今日見たのは「さくらん」
蜷川Daughterの実花さんが監督をされた。

かつて日本にあった遊郭に生きる人々の生活を淡々と描いた作品だ。
人身売買で売られた娘が女郎にされ、花魁になって身請けされて上がりか?!、という話で、すごいカタルシスがあるわけでなく、
魂を揺さぶられるようなものはなかった。
そこら辺は、監督自身自覚してると思われ、もうとにかく花魁の世界の徹底的な描写がしたかったんだと思う。
とにかく美術と照明・衣装は素晴らしく美しい。
椎名林檎の音楽と相まって、いままでにない吉原の映画になっていた。
あと、異業種から出てきた監督らしく、小技が効いていて見ていて楽しい。
ちょっと見逃してたものもあると思うのでDVDがでたら確認したい。


劇中、小泉今日子に気がつかなくて分からなかったんだけど、
プログラムを買って驚いたのが、小泉今日子永瀬正敏がキャスティングされていた事だ。
二人が絡むところはないけど、キャストで並んでいるのは不思議な感じ。
こんな事があるのかと思った。


土屋アンナ菅野美穂木村佳乃などなど花魁役の女優はみんな美しく、体当たりな濡れ場もやってるんだけど、
なんかしっくりハマってない感じが惜しい。
女の情念て女でない僕にはよくわかりませんが、
いつか見た確か名取裕子かなんかがやっていた吉原の映画の方(記憶は極めて曖昧だけど、おそらく「吉原炎上」)が圧倒的な迫力があったなぁと中坊だった頃の記憶がかすかにあり、ちょっと比べてしまった。
木村佳乃も「阿修羅のように」ではなんかすごい色っぽいおねいさんになったなと思ったのに、あれれという感じ。



でも、変にエキセントリックで意味のわかんない邦画が多い中で、
癖もなく、安心してみてられて良かった。
とにかくあの世界観の作り込みが見ていて心地よく、
いつまでも見ていたい、そんな映画でありました。


つづく