突然、300を観に行く休日。


朝、目覚めて、不意にマッサージを受けに行って、凝りもほぐれた所で、
映画でも観るかと、思い立ち、映画館に赴く。

大日本人」か「舞妓han」にしようか思案したあげく、着いてみると時間が合わないので両方とも断念して、
直近でやっていたのが「300」だった。
よくよく考えれば、洋画をみるのって21世紀に入って映画館で観たっけ。と思えるほど記憶になく、
記憶を辿れば、Star Warsのエピソード1かもしれない。
ごくたまに観るものは邦画が多い。
邦画のシェアが洋画を抜いたことも頷ける。


もう、全米が震撼したり、泣いたり、の映画に興味が持てないのかもしれない。
それほどに遠ざかっていて、
そして観てみた「300」は結構面白かった。


とにかく、マッスルあふれる漢達が、全員不敵な笑みを浮かべながら殺して殺して殺しまくる。
俺たちは戦士だぜ、だから戦う! 自由の為、家族の為!
何百万なんてペルシアの兵どもが来てもへっちゃらだぜ!


と、たった300名のスパルタのスパルタ教育をくぐりぬけた戦士の中の戦士がもう勇敢無謀に戦い、殺し、束の間の勝利に歓喜し、仲間、息子の死にへこみ、裏切られ、窮地に陥り、やけくそになって戦い、299人が死んじゃう。


そこにあるのは俺たち絶対正しい、という揺るぎない信念。
だから、敵どもを皆殺しにしても平気!


悪い奴はとことん悪く、醜く、虫けらのように死んでいく。
いくらなんでも、こんなに醜くして、ペルシアの人の気分を害さないのか不安になるほどに。
虫けらのように死んでいく人々にも、スパルタの戦士と同様に家族がいたりするのに、そこには微塵もつっこまず、
一撃で胸を突き刺し、首を飛ばし、腕が吹っ飛び、死体の山を築く。
不敵な笑みを浮かべ、励まし合う戦士達。


その独善的なカタルシスにちょっぴり目眩を感じつつ。
とにかく次々をくりだされる、ぶっ殺していく映像の連続を僕はただただ観ていた。


これじゃ、どこが面白いのかという感じだけど、
あまりにもつきぬけ過ぎていて、逆に悪意すら感じたから。


昔、「スターシップトルーパーズ」という映画があって、
これは一見戦争万歳的な映画なんだけど、
裏に描かれてる悪意が可笑しくて、好きな映画の一つ。
(2はあまりにも非道くてがっかりだったけど。)
これに通じるものがこの「300」にはあるような気がした。


生きるって、思ってる以上に馬鹿馬鹿しく、間抜けなことなのかもしれない、と思った。


でも、そんなの関係ねい。





つづく。